6月8日(木)、英国の解散総選挙が行われます。ブレグジット(EUからの離脱)を行ってからの動向が注目されているイギリス。もともと任期満了を宣言していたメイ首相ですが、なぜ解散を選んだのか?GBPの変動とともにご紹介します。
解散総選挙を行うわけ
2016年6月23日、国民投票によりイギリスの欧州連合(EU)離脱が決定されました。このときのポイントは「僅差」での離脱決定だったということです。
国民投票結果を受け、ときの首相デイビット・キャメロン氏は辞任。7月に現首相テリーザ・メイ氏が就任します。トップこそ変更されたものの、政府機関としてはそのままです。つまり、「EU離脱が決定される前」に集まった人達が政権を握っているのです。
国民投票にも表れていたとおり、離脱・残留は僅差で、議会もいわば賛成・反対の人が入り混じっている状態です。こうなると、同じ方向に向かって政治を動かしていくことが困難になるのは、目に見えています。メイ首相のいう「政治ゲーム」も、これについて懸念した発言です。つまり「EU離脱交渉のための議会をつくる」ための解散総選挙なのです。
選挙はどうなる?
解散総選挙とは、発案したメイ首相も辞任する可能性があります。再当選への自信なのか、すべてを国民にゆだねようという考えなのかは本人にしかわかりません。しかしEU離脱の交渉を(英国にとって)有利にするためには、せっかく手に入れた首相の座を手放す可能性をもってしても、総選挙の時期を早める必要があったということなのでしょう。
5月31日時点における、英国の世論調査会社YouGov(ユーガブ)による投票意向調査では、メイ首相率いる保守党の支持率は42%、最大野党の労働党は39%となっています。一時は保守党が大きくリードしていたものの、現在はその差も減ってきており、どちらが勝ってもおかしくない状況です。
6月3日にロンドンで起きたテロ事件も、選挙戦に微妙な影響を与えるでしょう。
GBPの変動は?

GBP(英ポンド)とJPY(日本円)の日足レートを見てみると、4月18日に行われたメイ首相による6月解散総選挙の実施発表を機に大きく上昇。5月11日から徐々に下落している状態です。テロに対する政府の対応力なども為替相場に影響するため、予想するにはさまざまな要素を考慮する必要がありますが、もみ合いになることも少なく、変動が続いています。
変動の大局を予想する必要があるFXには向いていない相場かもしれませんが、変動すること自体が重要なBOでこそ活かせると思います。相場の波をよく読んで、利益を狙いましょう!
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