
5月7日(日)、ついに決選投票を迎えるフランス大統領選挙。親EUと反EUの構図に現れているとおり、欧州連合の未来にも関わる重要な選挙となっています。EURO(ユーロ)の価値にも関わってくる重要な経済指標イベントでもあります。
第1回選挙では、大方の予想通りマリーヌ・ルペン氏とエマニュエル・マクロン氏が勝ち残ることとなりました。敗退した他候補の中にはマクロン氏の支持を強く推す候補者もおり、マクロン氏の支持率は60%を超える高い水準にあります。
ルペン氏とマクロン氏の公約を見比べ、これからの欧州とユーロの行方を考えてみましょう。
- ●ルペン氏の公約概要
- ・EU離脱を問う国民投票の実施
- ・シェンゲン協定(国境検査なしの往来)から脱退
- ・ユーロを離脱しフラン再導入
- ・難民移民の受け入れも大幅に削減
- ・外国人の雇用に追加課税
- ・法人税率軽減
- ・輸入品関税
- ・電気・ガス料金5%引き下げ
- ・治安要員の増員
- ●マクロン氏の公約概要
- ・労働コストの削減と労働者の手取り額増加、給与税の引き下げ
- ・国内に乱立する年金制度を統合
- ・定年の引き上げや年金支給額の引き下げなし
- ・学校のクラス定員引き下げ
- ・若年層が文化に触れる機会を多くするための補助金
- ・欧州は公約の中心、欧州の戦略なくして成功はない
上記のとおり、とくにEUに関しては正反対の公約を掲げた両者。細かい公約の違いはありますが、やはり注目はEUに対する姿勢の違いです。
また、マクロン氏はトランプ大統領に対する批判も公言しており、仮に当選した場合は就任後の米国とのあり方にも注目が集まりそうです。欧州を公約の中心とし、仏独の協調を必要条件と掲げており、安定性の強いイメージがあります。支持率が高いため意外性はありませんが、市場はいわゆるご祝儀相場のような状況が発生し、ユーロ高になる可能性があります。
それに対しルペン氏の公約は影響が計り知れず、フランス社会や経済のありかたそのものが変わると言われています。金融市場の混乱は避けられないでしょう。
EUの影響で仏経済が停滞し失業を招き、大量の移民が治安を悪化させたと説くルペン氏。自国の利益を優先する公約は、「フランスのトランプ」といわれるように、トランプ大統領と共通しています。
不人気ながらも最終的には大統領の座についたトランプ氏ですが、果たしてルペン氏はどうなるのでしょう?トランプ氏の場合、対抗するクリントン氏も同様に不人気であったため「不人気対決」といわれていましたが、ルペン氏の相手は高い支持率をもっていため、分が悪い印象です。マクロン氏に国民の信頼を失うようなスキャンダルでも発覚しない限り、当選は難しいかもしれません。「大穴」ともいえるルペン氏の当選が実現した場合、たしかに市場は大荒れになる恐れがあります。
相場変動時は高ペイアウトの狙い目!
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