株式市場で使われる言葉に「ご祝儀相場」(ごしゅうぎそうば)というものがあります。これは年末年始の大きな取引で起こる相場の上昇現象のことで、文字通り「お祝い」(ご祝儀)や期待の意味を込めた買いによって発生します。
バイナリーオプションと深い関係のある外国為替市場においても、同様の現象が起こります。
実際にご祝儀相場が発生するかどうかはその時の経済状況にも左右されますが、投資家心理と傾向として年末年始に起こりやすい現象です。
過去のご祝儀相場

こちらは2016年1月USD/JPY(米ドル対円)レートです。4時間足で表示しています。(ローソク足1つが4時間分の変動を表す)
画像に赤の縦ラインを引いた箇所が2016年1月4日で、年明けの初取引が行われた日です。それ以前の2015年末は変動幅も小さく、レートはほとんど動いていません。しかし年明けとともにドル安/円高が発生しており、USD/JPYレートが大きく下がっています。
これはレートに大きな影響を及ぼす「世界三大市場」(日米英)のうち、最初にオープンされる東京外国為替市場の力で円が強くなった瞬間といえます。

こちらはさらに前年の2015年1月のレートです。同じくUSD/JPYですが、年明け初日(左の赤ライン)はご祝儀相場らしい動きはなく、前年末の変動が続いているように見えます。これは外為市場オープン初日の2015年1月2日が金曜日であるせいで、取引量の少ない相場変動です。実際のご祝儀相場は週明けの5日に起きており、2016年と同じくドル安円高の動きとなっています。
2017年1月のご祝儀相場は?
世界三大市場のうち東京が最初に開場されるのなら、毎年はじめは円高になるのでは?という疑問が出てくると思います。たしかに日本は英米より早くオープンされるため、ご祝儀相場に円が影響されやすいといえます。
しかし、世界の経済状況や指標によってはこの限りではありません。また見逃してはいけないのが、休日の存在です。
実は2017年の場合、世界各国の外国為替市場がオープンするのは1月3日(火)ですが、東京外為市場は1月4日(水)に開きます。これは、3日が日本のバンクホリデー(銀行休業日)になっているためです。つまり日本の「ご祝儀相場」が発揮される前に、英国や米国などの市場が動き始めてしまうのです。トランプラリーによる米ドルの強さを考慮すると、年明けはさらなる円安に振れる可能性があるでしょう。
2017年市場オープン直後は対円でHIGH!?
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